私が婚活し始めたとき、とりあえず真っ先にしたのが「私は婚活する」と周りに宣言することでした。
当時私は37歳。数年前に勤めていた会社を辞めた後、遅咲きながら看護師になるため専門学校へ入り、
看護師となった後も勉強に追われて出会いなんてまったくありませんでした。
学生時代の友人は寮で知り合った子が多かったので各地に散らばっており、旦那さんの会社の方を紹介してもらおうにも距離的に無理がありました。
こうなったら恥でもなんでもない、むしろこの歳になったら恥とか言ってる場合ではない、と婚活してます宣言。
やれるだけやって縁がなければ諦められる。
同僚には同じように出会いのない女性が多かったですが、そんな彼女たちとさまざまなツテを伝って合コンを開いたものです。
参加女性の年齢に7歳くらい幅があったので、なかなか盛り上がらないこともありましたが、そんなことでくじけている場合ではないと言い聞かせて続けていました。
自分がダメでもせめて一緒に婚活しているメンバーに良縁をと、場を盛り上げることに徹したこともありました。
しかも職場の先輩が大変協力的で、ご自分の友人を紹介してくださったばかりか、
職場にやってきたご自分の車のディーラーさんにまで良い人がいないかと尋ねてくれたりして…。
人の優しさを感じると同時に、目の前で見ず知らずの男性が私と無理矢理LINE交換をさせられているのを気の毒に思うという大変貴重な体験もさせていただきました。
先輩、ありがとうございます。
そのようなわけで、さまざまな年代の男性とお会いする機会が増えるにつれ、若い頃に思っていた「自分の好みのタイプ」とやらがどんどん変わっていきました。
婚活を始めた頃は「背が高くて~」とか、「俺について来いタイプで~」などと言っていたのですが、そんなことはどうでもよくなりました。
実際にお付き合いにいたったこともありましたが、彼らを通して私が気づいたこと。
背が高かろうが低かろうが、大切なのは人間性。
今までさんざん自由に生きてきた自分に、今さら「俺について来い」と言われても窮屈なだけです。
それでようやく、私は今まで相手の人のことをちゃんと見ていなかったんだなと気づくことができました。
好きになったと思っていたけど、本当に相手のことを知って好きになったわけじゃなかったんだろうと、自分自身を反省しました。
こんなこと、本当ならもっと若い時に気づいていそうなものですけど、私は気づくことができなかったからこの歳まで良いご縁がなかったのでしょう。
これから出会う人には自分の勝手なフィルターをかけずに相手のことを知ろうと決め、気持ちを新たに婚活を続けていました。
そしてようやく、これまた職場の先輩の紹介で出会った方とお付き合いをすることになり、結婚しました。
私のほうから外見がどうのこうのという資格もないのですが、正直に言いますと初対面の印象は「許容範囲」。
もう40歳に足をかけていた私よりも年上の彼は、当然ながらいいおっちゃんでした。
白髪だし、禿げてるし。
でもその時の私は、人間、外見じゃないって知ってます。
そう、同じことが私にも言える。
とにかく彼と話してみると、なんだかとても話が合うのです。
それからトントン拍子に話が進み、めでたく結婚することができたのでした。
結婚した今も、何も変わることなく接してくれる良い旦那さまです。
婚活を始めるにはやや遅い年齢だったかもしれませんが、その年齢だったからこと気づくことができるものがある。
だからこそ巡り合えた縁だったのだと思っています。
中居 賢匠
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