私の付き合った男性は変わった人でした。
とにかくケチで、お金をあまり使おうとしない人でした。
性格に難はありましたが仕事も正社員でしっかりとしていた人でしたし、決してお金がない訳ではないはずなのですが、なぜかお金に関してはとにかくケチでした。
例えば、洋服はいつも同じ洋服がヘビーローテーションで、しかも破れるぐらいしないと買い換えないのではないかと思うぐらいずっと着ていました。
Tシャツも色が変わっても、首のゴムがたるんでも着続けていました。職場が制服で、私服を着ている姿を見たことがない時はとても頼もしい人に見えましたが、私服で一緒に外を歩くときはいつも戸惑っていました。
逆にそんな見た目なのに外を普通に歩ける神経が理解できませんでしたが、それも個性なのかと諦めていました。
年上で年下の私が言っても治らないのではと思うほど頑固者で、実際職場では職人だったので仕方ないのかとも思いましたが、他の職場の人間から見ても変わり者ということで通っていました。
仕事は出来るのと、情が深いところがあるのは長所で、変わり者でありながら、職場の人間関係はそれほどは悪くなかったです。ですが、プライベートはというと、やっぱりただの変わり者ということになってしまいます。
車を持っていたので、そこは贅沢するんだ・・・と思っていたのですが、ガソリンは必ず安いところで入れる、駐車場はやっぱり安いところに止める、スーパーで買い物をするときは必ず安いところで買い物するなど徹底したケチっぷりでした。
しかも車も年季もので、車のカラーも煤けて薄くなっていました。見た目を気にしなさすぎるにもほどがあるなと思いました。
もう少しケチ度合いが低ければモテそうな感じもしますが、妥協せず何を言われてもアイデンティティーを守っていたように思います。
プライドがあるといえばそうなのかもしれませんが、そういったところで協調性というか社会性のなさは際立っていました。
それも個性だと受け入れるのもいいことだと思ったりはしたのですが、一緒に歩くのが恥ずかしくなってきたりもしたので、外で極力一緒にいないようにしたり、夜に出かけたり、おうちデートをしたりもしていました。
物言いも結構癖が強めで、自分のことを「〇〇（彼の名前）ちゃん」と言っていました。
僕とか俺とかならまだ聞き流せるのですが、なんだか気持ちが悪いなと思ったりしたこともありました。あと、気に入らないことがあると大声でアピールするというのも結構見ていて大人げなくて恥ずかしかったです。
だいぶいい年したおっちゃんがそんな子供じみたことをするとは思いもよらなかったので、私はかなりダメージを食らいました。
好きになった人がそういったことをすると、本当に悲しかったですし、恥ずかしかったです。自分の見る目がなかったのだと諦めて、辛かったですがお別れしました。
その職場も私は別の理由も重なって辞めることになりましたし、綺麗さっぱり思い出から消すことは出来たと思いましたが、変な人というところで思い出してしまったりもします。
中居 賢匠
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