私が生まれ育ったのは農業が盛んな田舎町、地元には進学できる学校がないため、跡継ぎ以外は進学を機に町を離れることが昔からの習慣、盛んなことと儲かることは別問題、家業である農業を引き継いでも生活は大変、そのため昔から農家に嫁ぐ女性を探すのに苦労していました。
親の代までは、お見合い写真を撮ることが成人した証、その写真を持ってお見合い相手を探すのですが、田舎に嫁いで良いと考えているものは少なく、地元では男前で評判だった男性も結婚には苦労したそうです。
現在はネット社会、結婚相手もネットで探すことは出来るのですが、恋愛には至っても、結婚となると話は別、ネット社会では現地を訪れなくても、ネットで容易に生活環境を調べることが出来、買い物など日常の生活にさえ困るような所へ嫁ごうとは中々ならないようです。
跡継ぎが出来なければ町の存続に関わるため、町の有志が発起人となり婚活パーティーを行うことになったのですが、そもそも結婚相手を探すのに苦労しているものが、婚活パーティーに参加してくれる女性を集めることが出来るのか?
実際に婚活パーティーが開催されると、数名の女性が参加してくれたのですが、明らかにサクラばかり、地元の有力者の娘は有名学校に通っており私達とは学歴が大違い、派手な格好をしていた女性は水商売をしているチーママ、若くて可愛らしい女性はイベント会社のアルバイトでした。
サクラのためパーティー自体を盛り上げることは上手なのですが、サクラ相手に真剣になる男性はおらず、その婚活パーティーで結ばれた者は1組だけ、パーティーを主催した者は1組でも結ばれたことに喜んでいましたが、付き合っている彼氏と彼女で参加したのですから結ばれて当然なのです。
パーティーに参加した女性は、美味しい料理を食べられ、お土産を沢山もらい、更に現金まで貰えるのですから大満足、そのあとにパーティーに参加してくれた彼女達のSNSをチェックすると、一様に「〇〇町は最高だった・また行きたい」などべた褒めばかり、それもそのはずSNSにポジティブな意見を載せるまでが彼女達の仕事だったのですから。
その夜、婚活パーティーに参加した男性メンバーが集まりガッカリ会を開催、娯楽施設がない田舎町のため、町の男衆が集まり酒を飲むことは昔からあったことなのですが、昔との違いはネット環境にあること。
ガッカリ会に参加したA君が、「皆で婚活サイトに登録をしない?」、それを聞いたBさんが「アホか!婚活サイトでもサクラばっかりだぞ、遊ばれて終わりだ」
A君、「遊ばれても良いじゃない」
Bさん、「こんな田舎まで女性が来てくれるわけないだろ!」
婚活サイトがあることは知っていましたが、田舎者の私達は臆病、そのため自ら同サイトをしようと思う者はいなかったのですが、ダメ元で挑戦したA君に彼女が出来ると、次から次へ挑戦する者が増え、会えば婚活サイトの話しばかり。
婚活サイトを利用しても出会いに恵まれないと、違う婚活サイトに挑戦、それでダメなら出会い系サイトやパパ活サイトなど他のサイトにも挑戦、性格は控えだった田舎者の私達でしたが、返信メッセージが届いた、今度は待ち合わせをする約束が出来た、ついに会うことが出来た、など徐々に恋愛への勇気が付くと、改めて一度真剣に婚活パーティーをすることになりました。
前回の婚活パーティーでは、ヤラセの参加者相手にも物怖じしていた者が、出会い系サイトなどで自信を付けたことで積極的に、その甲斐あって今回は2組のカップルが誕生しました。しかし、残念なことに、そのカップルはいずれも長続きはしなかったのですが、町の男衆には希望を抱くことが出来るようになりました。
今回の婚活パーティーを開催した私は、皆が希望を持てたことに良かったのですが、皆には秘密にしているのですが、誕生したカップルの女性は私が都会で働いている時に知り合った女性でサクラ、その二人の女性に嫁ぐ気はないかと聞いてみると、鼻で笑われてしまいした。
中居 賢匠
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