学生の頃からの友人の話です。彼女は、30代に入ってから初めて彼氏ができましたがその経緯をお話しします。
学生の頃から髪は短く、服装も男の子っぽかったのですが、そのせいで男子からは男の子のような扱いをされていました。
性格的には、はっきりはしていますが、どちらかといえば、女の子らしいと私は感じていました。
けしていじめられていた訳ではないと私も感じていましたし、当本人もそうでないことはわかっていたようでしたが、好きでしていた髪型でもなく、着たくて着ていた服でもなかったことにわをかけて否定されていたように感じ、自分が女の子らしい身なりをしていれば、人からは違和感があるように捉えられてしまうのだという思いが植え付けられたままでいたようです。
10代になれば、髪型だってファッションだって楽しみたいもの。メイクにだって興味も湧きます。
ですが、植え付けられた感覚と彼女の両親が着飾ることに対して浮ついているという考えを持つ方らしく、オシャレはしたいけどできないできたという思いをずいぶん経ってから聞きました。
私は、そう捉えていなかったので、興味がないとさえ感じていましたが、相談してくれた彼女の気持ちがなんとなくわかりました。
オシャレを楽しんでいる同世代から遅れをとっている。こんな私が恋をするなんて‥とすら考えていたようで、恋愛どころか好きな人がいることすらアピールできないでいました。
当時、私はアパレルの仕事をしていましたが、お客様を接客する上で感じていたのは、ファッションを変えることでメイクやヘアスタイルまで変わっていく、常連さんがたくさんいたこと。
お客様にコーディネートを提案する毎日でしたが、接客する上で感じていたのはこちらからしたら似合っているものも普段着ないという理由から挑戦できないとおっしゃるお客様が多いということでした。
提案して気に入ってもらえたお客様がそのコーディネートでニコニコしながらお店に遊びに来てくれ買ってよかったと言っていただけたことが職業身寄りに着く瞬間でもありました。
同じような友人の喜んでいる顔が見れるのではと、大きなお世話だとは思いつつ、友だちにファッションを提案し、のってくれました。
最初は、普段絶対に自分では選ばないファッションだと戸惑ってはいましたが、徐々に気持ちも変わってくれ、髪を伸ばし始め、メイクもし始めました。
彼女が恋に対して前向きに変化してくれているのもわかり嬉しく感じていました。
行かなかった合コンにも参加するようになり、声をかけてもらえるようになった！と報告をもらうのは私も嬉しかったです。
彼女は結局、同僚の方とお付き合いをし始めましたが、彼は、変わる前を知っていたのでその変わりようにびっくりしつつも意識し始めるきっかけになっていたみたいでした。
彼からの告白で付き合うようになり、今では幸せそうです。
人は見た目ではない！とも言いますが、見た目を変えることで人に与える印象は確実に変わります。本人の気持ちの変化があることも事実。
見た目を変えることで少しでも前向きな行動が取れた彼女を通して私も感じるものがありました。
中居 賢匠
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